空調ダクト内清掃ロボット
協力:日本ウイントン株式会社
生活空間,職場空間では快適な温湿度と空気質が空調システムにより保たれています.
しかし,空気を送るためのダクトは主に天井に隠蔽設置されているため,通常の保守管理業務では十分に点検されず,埃やカビ,ダニ等の汚染物質が付着,堆積したまま放置されていることが少なくありません.
ダクト内に汚染物質が堆積し続けると健康に害を及ぼすだけでなく,火災の危険性も高まるため,定期的な検査と清掃作業が欠かせません.
ところが,空調ダクトの多くは内径100ミリ以下と人間が中に入れないほど細いため直接手作業で清掃できません.
そのため,これまでに実際の現場では,空気圧を利用した清掃ツール(乱打方式,はたき方式,噴射方式)をダクト内に押し込んで汚染物質を叩いたり擦ったりして剥離し,入口もしくは出口に取り付けた集塵機によって吸い取る方法が取り入れられてきました.
しかし,空調ダクトは曲がりくねった状態で設置されていることが少なくなく,清掃ツールが途中で引っかかってしまうため,入口からより深い所の清掃については断念せざるを得ませんでした.
また,従来のツールにはカメラ等の設置が難しく,汚染状態の確認が困難でした.
そこで,本研究室では日本ウイントン株式会社にご協力いただき,従来の清掃器具では届かなかったダクトの深い部分まで到達し,検査と清掃の両方を行える空調ダクト内清掃ロボットの研究開発に取り組んでいます.
- 加古川篤・小紫由基・馬書根, 2リンク車輪型空調ダクト内清掃ロボットの開発, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’17 講演論文集, 2017.
- 空気ダクト清掃用ロボット(出願番号:2017-026374)